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ちかちかうるさいゲームセンター

 中学生くらいまで、ゲームにはあまり馴染みがなかった。ファミコンロクヨンゲームボーイも持っていなかったし、休日は外で遊ぶことが多かったから、たまに友人の家に行くと羨ましくて、一人でいつまでも齧り付いていたりした。
 しかし、RPGやパズル系のゲームはルールが分からず、アクションやシューティングなど素早い判断を求められるゲームも下手だった。だからうまく先へ進めない時は、友人に頼んでその様子をハラハラしながら、まるで映画でも見るように楽しんだりすることがあった。特にホラーアドベンチャーなどは、恐がりの怖いもの見たさで自分では絶対にできないくせに、友人にせがんでわざわざプレイして貰ったりしていた。
 今考えるとなかなか迷惑な話だが、ゲーム機なんて逆立ちしたって買って貰えそうにはないし、そうやって欲を晴らすしか方法がなかったのだ。

 そんな訳でゲームセンターにも長らく馴染みがない僕だったが、毎週のように通うようになったのは高校生の頃だ。当時は友人たちと原付免許を取ったばかりということもあり、毎週のように千葉のゲームセンターに行っていた。
 なかなか広い所で、当時すでに絶滅しつつあったパンチングマシーンやキックマシーンなど、体感型のアーケード筐体があれこれ置いてあり、飽きもせずにそればかりやっていた。「筋トレしたら数値が上がった」なんていちいち騒いだり、柄の悪そうな集団に絡まれそうになったり、今考えればあまりに中身のない時間つぶしだったが、風を切って体を動かしていただけ健康的だったかもしれない。
 受験シーズンが訪れ、週末に集まる回数が減ってくると、自然とゲームセンターに行くことはなくなった。気まぐれに1人で行ったこともあるけれど、体感ゲームなんてやる気にはならないし、かといって他のはルールが面倒だったり、ユーザー登録が必要だったり、ふらりと初見で楽しめそうもない。
 音楽ゲームをすごい勢いでプレイしている人を見て「いくらお金をつぎ込んだら、こんなに上達するんだろ......」などと考えながら、ほとんどお金も使わずに出てきてしまった。

 ガンシューティングみたいに、ルールも簡単で誰でも遊べるようなゲームが減り始めたのは、いつ頃なのだろう。The House of The Dead シリーズなどは、PC版(win95)を誕生日に買って貰うくらい好きだったが、近頃ではあまり見かけないので寂しい。タイピングオブザデッド、というキワモノもPCソフトでは結構流行っていたようだが、ゲームセンターで見かけたのは1度だけだ。当ソフトでは僕もかなりタイピングを鍛えさせて貰ったから、またアーケード筐体でやりたいと思いつつも、そもそも滅多にゲームセンターには行かないので、一向に見つからないままだ。
 スマートフォン向けのゲームが、映画やアニメになる時代だし、わざわざゲームセンターに足を向けさせるには、ある程度ユーザーの囲い込みも必要なのかな。などと、ゲームに興味がないなりに、小難しいゲームが増えた理由を考えたりもしたが、今後VRなどのゲーム筐体が流行れば(既にあるのかもしれないが)また行ってみたい気もする。

 記憶を掘り起こしていると、久しぶりにスリルドライブがやりたくなってきた。スリルなんてレベルじゃない大惨事に悲鳴が次々と上がると、対戦時などはなかなか面白い。慎重に安全運転を心がけているつもりでも、必ず何かしら事故にあい、いつもコースの8割くらいの所でタイムアップになってしまう。コンティニューしたことはなく、ゴール後に何が起こるのかは未だによく分からないが、ゲームオーバー後に表示される被害総額と、運転分析のパラメータを見るまでは、席を離れられなかったものである。
 小学生の頃、お婆ちゃんとゲームセンターに行った時、何を思ったか車の運転経験すらないお婆ちゃんが(僕もだが)突然スリルドライブにお金を入れ始めて、呆然とした記憶がある。
 ゲームを開始して数分後、安全運転に徹していたお婆ちゃんが「動かなくなっちゃったんだけれど……」と、最初のチェックポイントのはるか手前で、残念そうに振り返る姿が今でも忘れられない。

 しかしそう考えると、ずいぶん昔からあるゲームだから、不謹慎さを突かれそうな内容ながらも、かなりの人気シリーズであることが窺える。寒いから外にはあまり出たくないけれど、スリルドライブThe House of The Dead があるゲームセンターだったら、久しぶりに行ってみたい。
 しかし、デパートに併設されているようなこぢんまりとした所には無さそうだし、専門店に行っても音楽・格闘・メダルゲームばかりで、手持ちぶさたになってしまう気がするし、僕が望むようなゲームセンターはすっかり過去のものなのかもしれない。
 苦手なことはがんばっても、大して上達もせず時間を無駄にするだけだから(僕の場合)潔く触れないようにしよう、という信念の元、僕は昨年、パソコン・コンシューマゲームの大半を処分した。蒐集に熱を入れていたSTGなども一度手放してしまえば、それほど未練もないもので「棚がすっきりしてよかったぁ~」なんて思っていたが、時折懐かしさに浸ることすらできないのは、やっぱりちょっと寂しいのだ。

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